「そうだ聞いて、美和ママ」


「ん?」


「あのね、龍守ってば一人で電車乗っちゃダメって言うんだよ」


そう言ったら、美和ママがクスッと笑った。


「私もね、龍矢に電車乗っちゃダメって言われたことあるんだよ」


「そうなの?」


「龍守って、龍矢にそっくりなのよ。顔だけじゃなくて、中身もきっとね」


「そうなんだ」


確かに龍守って、龍矢パパに見た目がそっくり。


「じゃあ美和ママ、電車一人で乗ってないの?」


「乗ったよ~じゃないと、専門学校通えなかったもん」


「だよね~私も大学通えないもん」


「あんまり結菜ちゃん束縛しちゃうと、嫌われちゃうよ龍守」


美和ママがからかうように龍守に言う。


「嫌われるわけないじゃん」