「も~離れてよ」


龍守の体を一生懸命押しても、ビクともしない。


「お前の力じゃ無理だ」


逆に抱き上げられてしまう。


「一秒でも離れたくない」


「龍守・・・」


「やっぱり、電車には乗せられないな。危なすぎる」


「絶対大丈夫だもん」


龍守がため息をつく。


それと同時に、部屋のドアが叩かれた。


「はい?」


龍守が返事をすると、ドアがゆっくりと開く。


ドアを開けたのは、美和ママだった。


「何か用?母さん」


美和ママは私が龍守に抱っこされてるところを見ても驚いた表情はしないで、むしろニコニコしてる。