女子生徒の腰の周りにヨボヨボの汚い右手。

そしてその汚い手を辿っていくと、反対の手に持ったスポーツ新聞で自分の姿を隠した初老の男。

何日も着続けている様な緑色のジャンパーに油の乗った少ない髪の毛。

望人がその表情を見ている事に気付きもせずに必死に右手を動かそうとしている。

そしてその右手を払いのけようと女子生徒は一層不快な表情を浮かべるが、しかし払いのけられた手は暫くすると懲りもせず、女子生徒の腰周りへと帰ってくる。