平日の午後、瀬織は祖母の家から通っていた当時の学校の制服に身を包み、その制服とはまるで関係の無い別の学校へと向かうべく電車に乗り込んだ。

祖母がひったくりに殺されて1ヵ月以上が経ち、叔母さんの家に引き取られて事実上住居が変わった瀬織にとって、以前通っていた学校は記憶にも、地理的にも遥か遠く向こうの存在だった。

交通の便や登校時間の都合もあって、瀬織は電車で一時間以内に登校する事が出来る学校に編入する事になった。

既に編入手続きは済まされていて、今日は校長と担任の教師に挨拶に向かう日。

叔母さんは町内会の寄り合いがあるという事で同行は出来ず、瀬織一人での登校となった。