何故?何故?こんなに懐かしいのは…
どうして…いなくなっちゃうの?
私は一体…

春野高等部学校入学式。
今は桜が咲く4月の日。
私は名門校春野高に進学。
夕月寛和は新しい高校にはいる。
大きな大きな桜の木。
桜の木下には何かがありそうで
切なくも感じ悲しくも感じる。

私のクラスは1-5
まぁ…そこそこって感じのクラスメイト
ただ普通に過せば良いものを…
「あぁ…もう…次はなんだっけ?」
「次は物理だよ寛和。」
「有難う優衣。」
「別に…親友でしょう」
親友の優衣と一緒に移動教室
物理の時間は私にとっては苦手な科目。
「起立!れい!」
『御願いします』
物理の授業が始まると
先生の話がだらだら続く。
私は桜を眺め
四年前の事を思い出す。

ーー四年前ーー
四年前の3月卒業式の終わった後の
最後の話。
幼馴染の麗が突如私に継げた。
「--寛和もう会えない。」
「え…麗…どういうこと?」
「内緒じゃあな」
それだけの会話で麗は帰ってしまった。
私はその時理解は出来なかった。
保育園、小学校と一緒だったのに、あんなに遊んだのに…
意味が分からなく混乱していて…自業自得、と言ってもいいのだろうか…
家に帰ってきて突如の電話
「はい…もしもし…夕月です」
『あぁ…寛和?』
「そうだけど…」
『俺…父が一緒に海外に行こうってなっちゃったから…』
「うん…分かった。」
『悲しまないでね?四年後会いに行くからーー』
「約束…だよ?」
プツ…
電話が切れたと同時に
何かの感情がこみ上げて来た。
ポトリ、ポトリと落ちる雫。
まるでスキだったかのように愛しく思う自分がいた。

ーーそして今
四年もたち背が伸びただろうと思うのはなぜなのか?
物理の授業を受けている自分が馬鹿馬鹿しい。
そしてチャイムが鳴り
帰る時間。
家に居ても誰も居ないのに…
そう思いながら私は春野高校をあとにした。