「野田は生まれつき障害を持っているんだ。
だが、少し体は不自由だけれどみんなで支え合えば十分一緒に卒業できる。
野田はな、成績トップで入学したんだぞ。」

再び野田は注目の的になった。

野田の顔は"真っ赤"だ。

ど真ん中の席が可哀想だった。

「ちなみに…」

担任が続ける。

「成績二番の子もこのクラスにいるぞ!」

私は何となく"いや〜な予感"がした。

先生、それ以上は…

「坂本優太だ!」

ハァ…私の心の声も虚しく、今度は私が注目の的になってしまった。

私は反射的に窓の外を見た。

「すっげー優太!」
バカ健二…

「さすが、私のゆーぅた!」
誰がやねん、梨香!

担任が更に私に"追い討ち"をかけてきた。

「坂本と言えばお前、新南高校から野球推薦きてたそうじゃないか。なんで北高選んだんだ?」

「新南ってあの甲子園常連の?」

「まじかよ…」

教室がざわめく。

先生、そういう事みんなの前で言いますか?
普通…

私はしぶしぶ答えた。

「別に、ガラじゃないんで…」

この時から私は担任を

"健二2号"

と呼ぶ事にした。