梨香の"キョトン"とした大きな目が笑顔に変わり、
「決ーまり!じゃ、お昼三人で入部届け出しに行こーね!」
と、梨香が私の右腕を更に強く掴んで言った時、担任が入ったきた。
真ん中の席だけ空いている。
初日から遅刻とは、なかなか大した奴もいるものだ。
担任の自己紹介が終わり、今度は生徒一人一人の自己紹介が始まろうとした時、後ろの教室の扉が
「ガラガラ…」
ゆっくり音を立てて開いた。
「遅れてすみません…」
クラスメイト全員が一斉に後ろの扉に注目した。
私はすぐに分かった。
真ん中の席の、
"大した奴"
の正体はコイツだ。
その声は小さく、そして震えていた。
私は初日で、しかもクラスメイト全員に注目されたので緊張しているのだろうと思った。
そのくせに、普通遅刻したら急いで席に向かうものだが、その子は必要以上に、
"ゆっくり"
と席に向かった。
本当、"大した奴…"
私は心の中で思った。
いや、私だけでなく"担任以外"の全員がそう思ったであろう。
"その時"は…
そして、自己紹介の順番が、その"遅刻女"に回ってきた。
担任が心配そうに口を開いた。
「野田、ゆっくりでいいぞ。」
その言葉にクラスメイト全員の頭の上に
"?"
マークがついた。
その遅刻女、いや、野田の自己紹介が始まった。
「皆さん、こんにちは…」
明らかに発音もおかしいし、声も小さい。
緊張しているとかそういう類のものではない。
野田は続けた。
「今日は遅刻してごめんなさい…
このとうり私の体は障害を抱えてます。
だから病院に行く日はどうしても遅刻しちゃうんです。
声も小さくて、発音もへんでしょ?歩くのにもゆっくりしか歩けないし、皆さんに迷惑かけちゃうかもしれないけれど…
どうぞよろしくお願いします。」
野田は障害をも忘れさせるような笑顔を残してゆっくり席についた。
そして担任が全員に言った。
「決ーまり!じゃ、お昼三人で入部届け出しに行こーね!」
と、梨香が私の右腕を更に強く掴んで言った時、担任が入ったきた。
真ん中の席だけ空いている。
初日から遅刻とは、なかなか大した奴もいるものだ。
担任の自己紹介が終わり、今度は生徒一人一人の自己紹介が始まろうとした時、後ろの教室の扉が
「ガラガラ…」
ゆっくり音を立てて開いた。
「遅れてすみません…」
クラスメイト全員が一斉に後ろの扉に注目した。
私はすぐに分かった。
真ん中の席の、
"大した奴"
の正体はコイツだ。
その声は小さく、そして震えていた。
私は初日で、しかもクラスメイト全員に注目されたので緊張しているのだろうと思った。
そのくせに、普通遅刻したら急いで席に向かうものだが、その子は必要以上に、
"ゆっくり"
と席に向かった。
本当、"大した奴…"
私は心の中で思った。
いや、私だけでなく"担任以外"の全員がそう思ったであろう。
"その時"は…
そして、自己紹介の順番が、その"遅刻女"に回ってきた。
担任が心配そうに口を開いた。
「野田、ゆっくりでいいぞ。」
その言葉にクラスメイト全員の頭の上に
"?"
マークがついた。
その遅刻女、いや、野田の自己紹介が始まった。
「皆さん、こんにちは…」
明らかに発音もおかしいし、声も小さい。
緊張しているとかそういう類のものではない。
野田は続けた。
「今日は遅刻してごめんなさい…
このとうり私の体は障害を抱えてます。
だから病院に行く日はどうしても遅刻しちゃうんです。
声も小さくて、発音もへんでしょ?歩くのにもゆっくりしか歩けないし、皆さんに迷惑かけちゃうかもしれないけれど…
どうぞよろしくお願いします。」
野田は障害をも忘れさせるような笑顔を残してゆっくり席についた。
そして担任が全員に言った。