「す、き!?」
好き
の単語に過剰反応を示した私に純夜が慌てて手を振った。
「お、落ち着いて!」
純夜に捕まれた腕が脈打つ。
同時に心臓もうるさい位に脈を打った。
ドキドキとうるさくなる心臓と共に顔に一気に熱が集中する感じがした。
慌てて純夜から視線を外して俯けば、純夜が心配そうに名前を呼んだ。
まただ。
また一際大きく心臓が脈打った。
ドキドキと痛いくらいに脈打つ心臓に泣きそうになる。
自然と込み上げる気持ちに胸がきゅう、と締め付けられた。
何が好き?
純夜の声が頭の中でリピートする。
好き、その言葉に過剰反応してしまった私は本当にバカだと思う。
純夜はただ純粋に何が好きなのか、聞いただけなのに。
そのまま考え込んでいた私の耳に慣れ親しんだアナウンスが響いた。
「あ、優菜、駅だよ!降りるんでしょ!?」
慌てた純夜の声にハッとして慌ててかばんを手に持った。
「その話、明日する!」
慌てて席を立ちながら心配そうに見つめる純夜にそう言って電車を出た。
純夜の心配そうな顔が頭から離れない。