通されたのは、対話室。


普段、生徒が使うことは無い部屋だ。


前に、誰かから客間みたいなものだと聞いたことがある。


あまり広くはない。


「まあ座れ」


ヒゲ先生が、やわらかい椅子に腰掛ける。


「・・・はい」


俺も椅子に腰掛ける。


ふたり、相対する。


「さて、話とはなんだ?・・・想像はつくがな」


ヒゲ先生が切り出す。


「この劇は・・・」


「そうだ」


こっちが言う前に肯定する。


「お前の想像通り、これを作ったのは俺だよ」


「そうですか・・・」


やっぱりそうか。


「どうして、これを作ったんですか?」


「・・・・・・お前は分かってるだろ?」


「確認したいだけです」


ヒゲ先生はフウ、とため息をつく。


「いいだろう。さて、どこから話すか・・・」


ヒゲ先生は少し思案する。


そして、口を開いた。