「なに翔平・・・あたしがここにいちゃいけないっての?」


「ビックリするだろっ!いきなり現れるな!」


「いちいち細かいわねぇ~、アリンコみたいに、小さいことウジウジ言うんじゃないわよ」


「ぜんぜん細かくねぇだろっ!しかもたとえが悪いっ!」


「だまれアリンコ」


「光一・・・お前、人が傷つくこと平気で言うよな」


今ので傷ついたらしい。


「気にすんな」


「気にするわっ!」


「そういや、光一、学芸会のこと聞いた?」


翔平は無視して、美雪が話を始める。


「学芸会?それがどうした」


「なんかさ、主人公がしゃべれない女の子っていう設定の劇らしいわよ」


「へぇ・・・面白そうだな」


しゃべれない女の子、ねぇ・・・


不意に、あいつ・・・遥の顔が浮かんだ。


「・・・光一?」


美雪の声で、我に帰る。


「っと。どうした?」


「なんかボーッとしてたから。考え事?」


「いや、別にそんなんじゃないさ」