「お願いします。身勝手なのは分かってます。けど、けど・・・一生懸命な片岡さんの姿を見て、わたしも、主役をやってみたいな、って・・・そう、思ったんです」


「・・・・・・」


「不器用で・・・内気な、わたしですけど・・・頑張ってみたいなって・・・」


「・・・・・・」


遥の頑張りに、影響された奴がいるんだ・・・


そう思うと、嬉しかった。


「―――頼む、光一っ!山本に・・・オレたちにチャンスをくれっ!!」


裕二たち4人全員が、頭を下げる。


山本の、頑張りたいっていう気持ちは、すごく分かる。


裕二たちの気持ちも。


裕二たちは、俺たちと同じことをやろうとしているのだ。


でも。


俺たちにだって、譲れないものがある。


「悪いけど―――」


と、言いかけたとき。


遥が、俺の服のすそを掴んでいた。


そして、信じられないことをノートに書いて、裕二たちに見せた。


『勝負、してもいいの』