お互い、それぞれ自己紹介しあう。


と言っても、美雪や翔平は、裕二たちと面識があるから、遥と、山本のためだった。


「・・・まあ、確認しておくけど、これ書いたのお前らか?」


俺が、果たし状を見せながら尋ねる。


「ああ。オレが書いた」


「漢字間違ってたぞ」


「なにっ」


裕二が驚きの声をあげる。


「そこはどうでもいいや。なんで、こんなもの書いたんだ?」


「率直に言う。主役と悪役、オレたちと交代してくれ」


やっぱりか・・・・・・


予想していたことだが、俺たちも譲るわけにはいかない。


「そいつは無理だな・・・」


「なら、オレたちと勝負してくれ。主役をかけて」


「ヒゲ先生の許可は」


「勝負して、勝てば、と言う条件付きで、もうもらってる」


抜け目のない奴だ。


「ふざけないで。誰が勝負なんかっ・・・」


冗談じゃない、という顔で、美雪がそう口にする。


「身勝手よっ・・・あんたたちは」


「確かに。俺たちに、勝負するメリットがないな」


翔平も不機嫌顔で言う。


俺も同じような気持ちだった。


「あ、あのっ」


山本が、進み出て言った。