遥と初めて出会って、一週間が過ぎたころ。


「なあ、遥・・・」


『どうしたの?』


「今日は、友達を作ろう」


え・・・、と言う顔をする。


『でも、ちょっとこわいの』


「でもお前だって、他にも友達欲しいだろ?」


「・・・・・・」
うん、と頷く。


「俺も一緒だから。だから、行こう」


「・・・・・・」


少し迷ってるみたいだったけど・・・


うん、と頷いてくれた。


「よし、さっそく行こう」


遥の手を引いて、図書室を出た。


―――ずっと、休み時間は図書室にいた女の子。


その子を、外へ連れ出すために。


ふたりで、歩き出した。


俺が頼める奴は、そう多くない。


というか、女子だったら「あいつ」以外思いつかない。