また、いた。


翌日の昼休みに、図書室であいつを見つけたので、声をかける。


「なあ、遥、お前、いっつも昼休みはひとりで本読んでるのか?」


「・・・・・・」
・・・うん、と頷く。


「なあ、楽しいか?」


ペンを走らせて、ノートを俺に見せる。


『つまらなくはないの』


「まあ、漫画は面白いからな・・・でも、ひとりでさ・・・それでいいのか?」


え?という顔をされる。


「休み時間はひとりで漫画読んでるような生活でさ・・・いいのかよ?」


でも、と言う顔をして、ペンを走らせる。


『たくさんのひとは、ちょっとこわいの』


「そっか・・・」


「・・・・・・」
うん、と頷く。


「じゃあ、俺は昼休み、毎日ここに来てやる」


『どうして?』


「ひとりじゃ、つまんないだろ?今日から俺たちは、友達だ。俺だけなら、こわくないだろ?」


「・・・・・・」
うん。


「だから、俺とお前は友達だ。これからは、楽しいことがたくさん待ってるぜ」


「・・・・・・」


少し遠慮がちに俺の顔を見たが、やがて。


うんっ、と・・・大きく頷いた。