白井先生から薬を出された。
常に持っておくよう言われた。

いつものように診察室に行くと…毎回笑顔で迎えてくれる先生なのに今日は険しい顔をしていた。
なにか嫌な予感がした。

『あっ空云さん。座って』
カルテをみながら静かに言った。
『はい…』

『空云さん…とうとう病気が動きだしちゃったみたい』

悲しそうにゆっくり話だした。

動きだしちゃったって…進行しだしたってこと?
昨日まで元気だったのに。
せっかく弘人と幸せになれると
思ったのに。

『私…どうなるんですか?』

涙目で先生をみつめた。

『薬を強くしましょうか…それと入院してもらうわね』

入院…いやだ。弘人と会えなくなってしまう。
優菜だって。

『薬の副作用があるかもしれないけど…仕方ないからね』

先生はたんたんと話を進めた。

私はうなずくことしかできなかった。