『空云さん?家族のかたは来てもらえる?』
白井先生の隣にいた看護師さんが聞いてきた。
私に家族なんていない。
私は黙ってうつむく。
『どうしたの?』
うつむいた私を覗き込むようにして看護師さんは聞いてくる。
『私…家族いませんから』
看護師さんは困った様子。白井先生も一瞬眉をひそめた。
『そう、わかったわ』
白井先生は一言いうと診察室からでていった。
すると看護師さんは私に
『一度病室にかえってていいわよ』
と言った。