ここはどこだろう。
なにもない暗闇。
向こうに誰かたっている。誰だろう。
………お母…さん…?……どうして?
あれ?もう一人いる。
小学生くらいの女の子が。……私……?…
四年生のときの私だ。
「お母さん!行かないで」バシッ
「あんたなんて産まなきゃよかった!」
「ごめんなさい!いい子にするから捨てないで」
「お母さん!」

見覚えのある光景…
これ…私がお母さんに捨てられたときの…

また誰か来た…
今度は誰だろう。
小学生くらいの男の子。
みたことある男の子だ。
思い出せない。
でも会ったことある。

「大丈夫かぁ?一人で」
「誰なの?」
「なんや、泣いとんか?」「私……どうしよう」
「お前は多分泣いとるより笑ったほうが可愛いで」
「えっ?」
「だから笑い」
「うん」
「ほな俺は関西に帰らなあかんから」
「ありがとう…」

関西弁の男の子って…
弘人?
そっか思い出した。
あの時、名前も知らない男の子が助けてくれたんだ。