「…り…ん………花梨??」
「えっ??」
「もー!
ボーっとしちゃって
どうしたの??」
「ぇ…あ、ごめんごめん笑」
「美咲、花梨、急がなきゃ
始業式始まっちゃうよー」
「ホントだっ!ヤバイっ!!」
あたし達は急いで
体育館に向かった。
ダルかった始業式が終わり、
教室に帰ると担任が
「転入生の紹介するから
席着けよー。」
と声をかけていた。
ふーん、このクラスなんだ
なんて思っていると
前のドアから転入生らしき
男子が入ってきた。
"ヤバかっこよくない!?"
…美咲からメールが
届く。
達也じゃないんかいっ、
と心の中でツッコミを
入れながらも
確かにスゴく綺麗な
顔立ちだなあと思う。
「えーと…
初めまして、井上祐斗です。
よろしく。」
…こんな無愛想な
自己紹介にも女子からは
歓声があがる。
「はいはい、みんな
静かにー。
井上、席はあそこな。」
担任が指差した席は
あたしの前の席。
ホームルームが
終わるや否や、
あたしの前の席の周りに
人だかりができる。
「ねぇねぇ祐斗くん、
彼女いるの??」
「んー…
俺は1人の女の子には
決めらんないな。」
……そんな会話が
聞こえてくる。
彼が受け答えするたび
いちいち歓声があがるのに
少しイラッとする。
"1人の女の子に
決めれない"って
"遊びたい"って
言ってんのと同じじゃん。
………ありえない。
*。・゚*