数ヶ月後、
あたしは日本に帰った。
そして親友ができ…
一瞬でも"忘れる"という
"逃げ道"を覚えた。
…そんな時だった。
祐斗に出逢ったのは。
祐斗を見てると過去の記憶が
鮮明に蘇る。
すごく嫌だった。
でも…
祐斗になら
全てをさらけ出せる、
と思うようになった。
出逢って2ヶ月。
そんな短期間の間に
こんな気持ちを抱いたんだ。
誰も踏み入れなかった
あたしの心にかかった鍵を
祐斗はいとも簡単に
解いてみせた。
そして、祐斗はあたしに
…"逃げる"のではなく
"立ち向かう"強さをくれた。
……―
こんなに辛い過去の話を
しているというのに花梨は
決して涙を流していない。
愛する人の涙は、
見たくないものだけれど
…今は違う。
…思いきり泣いてほしい。
心の傷が全て
流れてしまうくらい
思いきり…
俺の前で泣いてほしかった。
確証なんてないけど…
花梨は今までずっと
流すべき涙を
封じ込めてきたような
そんな気がしたから…。
それでも花梨は
涙を流さずに話し続け…
最後にこう言った。
*゚・.*゚・.