…ある日、突然の体調不良が

あたしを襲った。



めまい、吐き気、頭痛…

まさかな、と思った。



でも一応、そう思って

妊娠検査薬を購入。



…結果は







…陽性だった。



もちろん、相手はアイツしか

考えられなかった。





すごく切り出しづらかった。

でも…ちゃんと2人で

話し合わなきゃと思った

あたしはアイツを呼び出した。





「あたし…ね、
妊娠したの。」


「…は!?」


「お腹の中に、
あなたの子供が…いるの。」


「…冗談だろ??」


「冗談でこんなこと
言うわけないじゃんッッ!!
…どうしよう…?」





「めんどくせぇ…」




あたしはアイツの口から

零れた言葉に耳を疑った。




「…え??」




「だからめんどくせぇ
つってんだよ!!!
遊び相手の女が
妊娠したんだ。
めんどくせぇに
決まってんだろ!」






もう返す言葉も無かった。





めんどくさい…??

遊び相手…??






思考回路が停止する。

…いや、停止させたのかな?


これ以上考えると

…自分が自分じゃなくなると

わかったから。





「もう2度と目の前に
現れんな。
気分悪ぃ。」




それが…最後に聞いた

アイツの言葉だった。





それからどうやって帰ったか、
どうやって親に話したか、

なんて覚えてない。




ただ…

中絶した時の

えぐりとられるような

心の痛みと

涙で滲む病院の天井だけは

今でも鮮明に覚えてる。




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