あたしの少し真剣な

雰囲気を感じ取ったのか、

祐斗がこちらを振り返る。




「…どした??」


「…祐斗になら
話せる気がするから…
話したいの。」


「…うん??
…このままだと
花梨の顔が見れないから、
ソファ行こ?」



大切なことはちゃんと

目を見て話さなきゃね、

と笑いかけてくれる祐斗を

見て、やっぱりこの人なら

大丈夫だと思える。




祐斗の隣に座って、

あたしは話し始める。



「あたし…ね、」





――そう、あれはまだ

あたしがアメリカにいる

時だった。


その時あたしには

自慢の彼氏がいた。

2才年上の彼氏。



たぶん、

ちゃんと恋をしたのは、

あれが初めてだったと思う。




彼はいつも違う

女の子をつれてた。


…俗にいう

プレイボーイってやつ??



あたしはそんな彼に

恋をした。


ほんとに大好きだったんだ。



そんな時…

彼はあたしにこう言った。


「花梨…??」



「俺…お前のこと
好きになったかも。」

「えっ…!?」


「…1人の女に本気に
なるなんてらしくねぇけど、
俺、花梨が好き。」


「ほん…と??」



あいつの口から思いがけず

出た言葉はあたしがずっと

待ちわびていた言葉だった。


「ダメ…かな??」


「えっ!?
ううん。そんなことないの。
でも…ビックリしちゃって…
あたしもあなたのこと
ずっと好きだったから…」




「…!?
じゃあ…両想いじゃん♪」

「うん☆」


……こうしてあたしは

あいつと付き合い始めた。



いつも見ている景色さえ、

いつも吸っている空気さえ、

ほんのりとピンク色に

染まって見えた。



そのぐらい幸せだった。




         *゚・.*゚・.