気づくと…
もう日が沈みかけていた。
「花梨、今日は
俺ん家に泊まってく?」
「…うん//」
――2人は水族館を出て、
祐斗の家に向かった。
「おじゃましまあす…」
何に恐縮してるのか、
少し小さくなる花梨が
可愛い。
「今日、晩飯どうする?」
「じゃあ、あたしが作る!」
「まじ!?
じゃあ手伝う☆」
2人で手を繋いで
買い出しに行く。
こんな何気ない瞬間が
一番幸せだったりする。
――祐斗の家
「…祐斗??
なにしてんの?」
お料理を始めたあたしに
後ろから抱きついてる祐斗。
「愛情表現してんの。」
え、。
いくら海外育ちだとはいえ、
愛情表現にもほどがある
でしょーが。
「あの…さ、
お料理しにくいんだけど…?」
「花梨、俺のこと
キライなの…??」
上目遣いで祐斗が
見つめてくる。
このツンデレぶりは何だ??
人が変わったみたい…。
「キライじゃ…ないよ??
でもね、お料理しにくいの。」
「離してやるよ。
その代わり…
今夜は寝かせねぇかんな。」
…え??
祐斗に視線を戻すと…
そこにはもう可愛い
祐斗くんはいなかった。
妖艶な笑みを浮かべた
いつもの変態祐斗。
イヤだけど…
イヤじゃない。
だって…
その色っぽい表情を
見れるのはあたしだけだから。
だから…嫌じゃない。
むしろ…好き。
…そんなあたしの気持ちを
知ってか知らずか…
祐斗はツンとデレを
使い分ける。
知ってやってるとしたら
…変態悪魔だ。
でも…
しつこいようだけど
もう1回言っておく。
……そんな祐斗も
嫌いじゃない。
*゚・.*゚・.