「あいつら遅ぇな」

「ラブラブしてるんでしょ笑」




…そんな会話をしながら

待つこと30分…



やっと2人が手を繋いで

現れた。


「花梨ー!ごめんね、
待たせちゃって。」

「大丈夫、大丈夫。
それより、早速ラブラブ
じゃん!!」




「まぁねー笑」



そう言う美咲はスゴく

幸せそうで。



美咲と達也が

うまくいったのは

うれしいはずなのに

その笑顔が…心に刺さる。




あたしは恋をして

こんなに幸せそうに

笑えたことが一度でも

あるのかな、なんて思いが

頭をよぎる。











…だけど

せっかくみんなで

遊びに来たんだから、と

思って無理に笑顔を作った。










――注文したメニューも

全てそろい、みんなの話に

花が咲き始めた頃…

美咲がどんな風に告白

したのか、ということが

話題にのぼる。



「えー恥ずかしいよぉ」



なんて言いながらも

話し始める美咲。



最後には

うっすら目に涙を浮かべて



「でもね…ほんとに
想いが叶ってよかった。」



と言った。









…本当は心から祝福するべき

なのに…

美咲ごめんね、今のあたしは

そんなに強くなれない。



「彼氏が出来ただけで
何でそんなに幸せそうに
笑えるの?」

あたしはその言葉と共に

溢れだしそうになる涙を

抑えるのに精一杯で。












ずっと我慢してた感情が

心のダムを壊してく。