これはなんだろう?

僕の本にはさんであった手紙の失敗作だろうか?

僕は手紙をキュッと強くつかんだ。

紙がクシャッと音を立ててしわを作る。

僕の口にしょっぱい水が入った。

昨日の海水が残ってたかな?

僕は目をこすって前をみた。

机の上には日記帳と紙飛行機、スケッチブックがのっている。

僕は日記帳を手に取って読んでみた。

全部僕のことばかりの日記帳。

スケッチブックをめくってみると、笑顔の僕の絵がいっぱいあった。

目からしょっぱい水がこぼれる。

もう誤魔化せなかった。

僕はボロボロ泣いた。

鈴祢は僕をこんなに想ってくれていた。
考えてくれていた。

僕は自分のことばかりで、鈴祢に何もあげられなかった…

自分の無力さに絶望する。

時が過ぎるのも忘れ泣き続け、夕方になった。

涙って枯れてくれないのかな?

こんなにも苦しいままなのかな?

泣き続ける僕の背中をさすってくれる優しい手。

顔を上げると鈴祢の伯母さんがいた。

「これ…あなたが持っているべきだと思って…」

伯母さんは机の引き出しから何かを出して、僕に差し出す。

僕は手を出した。

伯母さんが僕の手の中に何かを落とした。