次の日。
僕の家にお客さんが来た。

鈴祢の伯母さんだ。

「森山くんちょっといいかしら?」

「はい?」

僕は鈴祢の伯母さんにつれられて、ある家の前まで来た。

二階建で屋根が青くて、壁は白い。

可愛らしい家だった。

ここは鈴祢の住んでいた家。

伯母さんは僕に見せたいものがあるといって、僕を二階の奥の部屋につれてきた。

「入って?」

伯母さんは扉の前で立ち止まりそういった。

扉には板が掛かっていた。

【鈴祢の部屋】


板に刻まれた文字を読んで僕は動揺した。

伯母さんは扉の前で動かない僕を見て、優しく微笑むと扉を開けた。

「大丈夫。さぁ?」

中に入るよう促され、僕はようやく中に入った。

鈴祢の部屋は甘い香りにまじって絵の具独特のあの匂いがした。

部屋の中は、ヌイグルミが少しと大きな本棚、窓の近くのベットの横におかれた机くらいしか目立つものがなかった。

机の上や床にたくさんの紙が散らばっている。

絵が掛かれたもの、丸められたもの、紙飛行機にされたもの。

そして、机の上には文字が掛かれたものがあった。

白いびんせんだ。

僕はそれを手に取った。