それは、いつも通りのよく晴れた日だった。
愛情を知らない腹黒い妖怪との出会いによって。
それまで日常と思っていたあたしの日々は、非日常へと変わり。
それから、あたしのすべてが百八十度変わることになる。
あの時のあたしはまだ、その一つ一つの言葉を理解してなくて。
まさか、こんなことになるなんて思ってもみなかっただろう。
それでも、いろんな人に出会えて、その一つ一つを知って。
あたしは、その中にある大きな温かさを知った。
妖怪と人間。
決して交わることのない二人が出会い。
それは、時に周りをも巻き込み、次第に変えていく。
そしてやがて、すべてを変えることになる。
「…狐燈」
「はい」
「───おかえり」
「……。
──……はい。」
妖怪は、月に導かれ。
人間は、花へと願いを誓う。
それが交わる時、再び奇跡は起こるだろう────。
*終わり*