夜。ついでに真っ暗。


ただでさえ街灯が少ないというのに、何を考えているんだ、あの鬼は。



なんて、心の中で悪態をつきながら、とぼとぼ、と独りで歩く。




やがて、神社が見えてくると、そこだけぼんやりと明かりが灯っていて。



昼間とは違って、とても幻想的だった。


しかし、それはある意味不気味である。




「着いたけど…、何もないじゃん」





はあ、とため息を一つ吐いて、あたしは石段に腰かけた。




さわさわ、と涼しい夜風があたしと、木々を包む。





……そういえば。



…初めて出会った場所もここだったな…




あー、と空を見上げると、そこには無数の星と満月が朧げに浮かんでいた。






────その時。




ジャリ、という突然の音にあたしは驚いて、すぐさま前を見る。