やがて。
迎える時刻は刻々と近づいていく。
そんな中、準備も終わりかけた時。
「千の秋」
いや…。
もう普通に名前で呼べよ…。
逆に違和感があるわ。
なんて、あたしは未だに言えないでいる。
「……なんですか…」
渋々と返事を返す。
「朗報だ。
今すぐ、あそこの神社へ向かえ」
「……はい?」
「聞こえなかったのか、バカめ。
今すぐにあの神社へ行け」
いやいやいや。
聞こえてるよ。
バカとか言うな。
「…なんでですか…」
「いいから、早く行け。
間に合わなくなるぞ」
本当に、いつまでたっても口が悪いのは変わらないな…
仕方なくあたしは、「…わかりました」と言って、急いであの神社へと向かった。
……腑に落ちないまま。