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──19XX 6.X
私の家は昔から、妖が見える。と
両親から言われてきたが、
このような経験は初めてだった。
古くから伝わる小さな神社である、
穂邑神社で、少年に出会った。
まだ16、7なる少年だった。
名を、──狐燈と云った。
しかし、この狐燈には、
記憶が何もなかった。
自分が何者なのか
なぜ、あそこで倒れていたのかも
どうやって来たのかも
何一つ、記憶として
残ってはいなかった───。
ここで、文章は終わっている。
あたしはさらに、ペラペラとページを開く。