でも。と鬼野郎は再びあたしを見据え。
「妖怪は、そう簡単にはその地を離れはしない。
言っただろ。
俺達は、人間みたく、そう簡単に居場所は変えられない」
よく覚えておけ、人間。
とでも言っているような口振りで、ふん、と鼻を鳴らすと、その姿を消した。
「…居場所、か…。」
そういえば、そんなことをいつの日か聞いたことがある。
……確かに、おじいちゃんなら何かしら知っているかな…。
でも、いない人に、どうやって聞けと…?
そう考えてから、あれ?と何かに行き着いた。
……もしかして。
と、思い始めたあたしは、すぐさま携帯を取り出して、ある相手へ、その電波を飛ばした。