言わないけど。
絶対、口が割けても言ってやんないけど、
やっと、心を、開いてくれた、
…と、そんな気がした。
「──どうか、」
「……?」
「どうか、もしも再び私が暴走を起こした時
躊躇することなく、殺めてください」
その言葉に、あたしは『うん』とも『嫌だ』とも答えなかった。
…なんで?、って?
だって、それは…
きっと、“もしも、”のことじゃないから。
いつのことかわからない。
もしかしたら、そんなことは一生ないかもしれない。
だけど。
あたしにとっても、孤燈にとっても。
大切で、欠けてはならない時間が……
───足音を響かせて刻一刻と、近づいていた。という事実だけは、確実だった。