そして、また新しい場面があたしの双眸に映し出される。
…それは、あの時見た…
猫鈴さんに見せてもらったおぞましい、光景だった。
『―――…さない。…赦さない。
私は、決して御前を赦さない。
…必ず…。
───必ず、幸せになって。
貴方を理解してくれる人に、
出逢なければ……』
その瞬間、それは今度はぶくぶく、と泡へと変わり、深く、深く底に沈んでいこうとする。
「…ま、待って…っ!!」
届かないことは、わかっていた。
でも、どうしても叫ばずには、いられなかった。
孤燈の、お母さんは…
孤燈を、恨んでも憎んでもいなかった。
何よりも、自分の命よりも、孤燈を、愛して心配していたんだ。