「もう…っ!
笑いごとじゃな……っ」
い、と言おうとした最後の言葉は、目の前の妖怪によって、綺麗に飲み込まれてしまった。
「…それで、貴方のお返事は…?」
……その言葉に。
けろっ、としやがってこの狐は…。
悔しいながらも、言わなきゃ、と思ったあたしは孤燈に向かって、口を開く。
「…あたしの返事、は……っ」
と、言いかけて、今度は口を塞がれた。
こいつはもう、喋らせてくれる気はさらさらないらしい。
……断ってやろうか。
そんなことをふと思った瞬間、まるで悟ったかのようにいとも簡単に離れる。
……ああ、もう…疲れた。