「朝食の支度が出来ていますが…」
「…うん。食べるよ」
しばらくの沈黙の後、フッ、と笑った狐燈が口火を切った。
それに、あたしは頷き、立ち上がろうとする。
……しかし、…ミスった。
布団に足が引っ掛かり、あたしは見事にバランスを崩してしまったのだ。
ぐらり、と歪む視界。
しかし、次の瞬間…
あたしの時間は、止まった。
それなのに、カチ、カチ、と時計の針の進む音は響く。
「…大丈夫ですか?」
ふいに頭上から降ってきた声によって、あたしの時間は大きく進み始める。
「ご、ごめん…っ」
またやってしまった、と情けなくなり、急いで退こうとバランスを戻そうとしたところ。