「……待って!
ど、どういうこと!?」
「黒瀬が探している妖孤は、
今猫鈴といる…!
そいつは、違う……っ」
ゲホッ、と噎せながら、木村くんは必死にあたしに説明してくれる。
「――――千秋さま…」
すると、前から風に乗って穏やかな声が響いてくる。
前には、一匹の狐。
後ろには、木村くん。
あたしは……
どちらを信じればいい…?
「黒瀬…!」
あたしは……。
「千秋さま」
あたしは………。
「木村くん。
狐燈は、どこにいる…?」
「…俺の家、だけど…。
もしかしたら、こっちに来るかもしれない」
「……そっか。
良かった……」
―――木村くんを信じるよ。