「まだ、そんなことを…。
貴方もしつこい方ですね」
「はっ。
月の果てまで追い回してやる」
…あー…始まった。
平和は長くは続かないものだな…
はぁ、とため息を吐きながら、少し離れた木の近くに腰を下ろして、もらったばかりのコップに口づけた。
「人間にとって、月なんか別に興味はないよな」
突然隣から聞こえた声に、え?と、振り返ると木村くんもコップを持ちながらそこに立っていた。
「……あー、うん…。」
頷くと、木村くんもあたしの隣に腰掛ける。
「…なんとなく、木村くんが犬派って言ったこと……
わかった気がするよ…」
「はは。ウチさ、神社なんだけど…
もう、猫屋敷状態なんだわ」
どうやら、猫鈴さんと会ってから数えきれないほどの猫達が居座ってしまったらしい。
…ある意味…強敵だ…。