「ほら、人間。お前も飲め」
で、こいつはまるでわかってねぇな…と、思う。
「あたし、未成年なんで」
差し出してきた鬼野郎に、満面の笑顔を向ける。
「……あれ、でも…
なんだかいつもと雰囲気が…」
…そう。
鬼野郎には、角…らしきもの。
砂狗には、小さな耳。
そして雪華さんは、見るからに薄そうな白装束を纏っている。
「恐らく、月の力だと思います。
いつのときも、月は私達の妖力を高めるものですので…」
2つの耳を立たせながら狐燈は、微笑んだ。
「…そうなんだ。」
すると。
「今日こそは、決着をつけてやる。
…この腹黒狐」
聞くからに、見下したような口振りの低い声が響いてくる。
…………。