いつも礼儀正しいけど…
跪くなんて、滅多にない。
…この人、いったい……?
「…そう、貴方が……。
そこまでしなくてもいいわ。
今夜は、特別な日なんだから」
「…はい」
猫鈴と名乗った少女は、袖口を口に当ててクスクス笑う。
それがあまりにも様になっていてつい、見とれてしまう。
「なぁ、早く行かねーと」
「………」
そう言って、横に入ってきた木村くんを、猫鈴さんが無言で睨み付ける。
……怖い…
でも、木村くんは全く気にしていない。
さらには、1人ですたすたと行ってしまった。
…なんていう、マイペース…。