バッ、とあたしは勢いよく立ち上がり台所へ向かう。
案の定そこにいたワケなんだけどまるで、脱け殻のように動かない。
壁に凭れ掛かりながら、頭を押さえていた。
「…狐燈…、大丈夫…?」
あたしの声に気がついたのか静かに、仰いでくる。
「…千秋さま…。
申し訳ございません。
少しふらついただけです」
そう言った表情はとても真っ青で、うっすらと汗が浮かんでいた。
その光景は。
……この前と同じだ。
「……何かあったの?」
「いえ、あなたが気にすることでは
…ありません」
ゆっくり、ふらふらしながら立ち上がる。
どう考えても、その姿はおかしい。