…か、かわいい…っ
ついつい、近寄ってしゃがみ込み、見つめる。
「……てか、初めて見たな…」
こんな熟睡しているとこなんて…
「……絶対あたしのせい、だよね…」
スッ、と手を伸ばして見たけどそこで少し躊躇い、引っ込めた。
そして、ふいにテーブルの上に朝ごはんだろうものが、きちんとラップがかけられ置かれているのを見つけた。
「……ごめんね…」
もはや独り言のように呟き、そっ、と髪に触れる。
銀色の髪の毛が陽光に当たり、輝く。
本当は、一回でいいからあの耳をもふもふしたかったんだけど…
……いっか。…ちょっと残念だけど…。
綺麗な銀色の髪も、さらりとして簡単にあたしの手から零れ落ちる。
…よしっ!
今日は久しぶりにあたしが夕飯を作ろう!
最近は、狐燈の完璧ご飯にばかり頼っていたから、少し鈍ったかもしれないけど…
なんとなくやる気が出たあたしは朝食べる予定だったご飯を食べ、きちんと片付けをしてから買い出しへ向かった。