「悪いな、お前ら」




と、出席簿を脇に抱えながら、担任がざわめく教室に入ってくる。






「先生ー、いい情報って何ですかー!」




入ってきてそうそう向けられた言葉に、先生は、さっそく来たか、と笑う。





「まぁ、落ち着けって。
おい、入ってきていいぞ」





そう、ドアの方を向き、なにやら誰かを呼び寄せた。





すると、教室のドアが開いたと思うと、わが校の制服を見事に着崩した男の人が入ってきた。




突然の登場に、クラスの熱気は一気に上昇し、さらに騒がしくなる。






「…えっと、転校してきた木村雄飛です。

……よろしくお願いします…」





転校生の少年はカッカッ、とご丁寧に黒板に自分の名前を書き頭を下げた。