「…これしか、方法がなかったもので…」
………って、おいっ、ちょっと待て!
「…待って…じゃあ、全部…
…演技だったわけ…?
あたしに言った言葉も…?」
「申し訳ございませんでした」
「…てことは…雅もそれを信じてた、ってこと、だよね…?」
「そうなりますね。
雅さまにだけは、見抜かれるわけにはいきませんでした」
……っ
…ちょっ…
「……ま、まさか、あたし…」
……とんでもないことを…
そっ、と狐燈の方へ視線を向けると、返事の代わりに笑顔が返ってきた。
………やっぱりーっ!!!
「なんで言ってくれないの!」
「貴方に教えては、思案した計画が崩れてしまうと思ったので」
…最悪だ…っ…。
「…あそこまで私のことを思ってくださったとは……」
「もうそれ以上言うな!」
…もう嫌だっ
自分の失態に、ああぁー…と頭を抱えて蹲るしかない。