しかし、一番の問題はあたしだ。
再び、視界がぼやけたと思うと、そのまま意識が途絶えてしまった。
遠くの方で声がしたけれど、しだいに何も聞こえなくなった───…
……ただ…
ずっと夢見てた温もりだけが、あたしを包み込んでいたのだけは覚えている。
───それから、何時間たったのかまったくわからない。
うっすら、と瞳を開けると、見慣れた天井が映ってきた。
………?
うまく回転しない頭のまま起き上がると、なぜかそこは自分の部屋だった。
窓からは朝日なのか夕日なのか、わからない光が差し込んできている。
たぶん、夕日だろう…
しばらくポケー…、と虚ろに前方の壁を映していると…
トントン、とノックの音が聞こえ、ス…と、長身の影が入ってきた。