――――…き、…千秋…ま…
…誰だろう…
あたしの名前が呼ばれている…
それにどこか、聞き覚えがあるし
…懐かしい、声。
――あなたは、誰…?
――…千秋さま……私は…――――
――ジリリリ…!
目覚まし時計が、けたたましく鳴り響く。
その拍子で一気に目覚めたあたしは、夢のことなんて吹っ飛んだ。
あたしこと、黒瀬千秋は急いで布団から出て、バッタバッタと部屋中を走り回る。
バタバタと朝食を済ませ、ドタドタと家を出た。
平和な平和な日常がまた始まったのだ。
…そう思ったのに、これからとんでもないことが起こるなんて…
この時は、これっぽっちも予想なんてしていなかった…――。