海沿いを歩き、地図を片手に色んな箇所を巡る。



美月の面影を探している。



髪の長い人を見ると、美月と重ねてしまう。



でも、美月は居ない。



バス停の向こうに、蜃気楼を見た。



ジリジリと照りつける太陽。



美月は俺にとって、名前そのもので…
美しい月だった。



出逢った日、美月は泣いていた。



理由は未だにわからないけど、
恐らく親のことだと解釈している。



あまり笑わないヤツだ。



だから余計に笑わせたくて…
ただ少し微笑んだだけでも、
心臓が飛び跳ねるほどだった。



美月の笑顔…また見たいな。



美月の居た街だと思うと、自然と足が軽くなる。