『そう……そうね。心の準備がいるものね。』



『いえ、そうじゃなくて…知りたくないんです。もう何も期待してませんから。失礼します。』



バタンと館長室のドアを閉めた。



別に怖いんじゃない。



もう、私の中で2人は死んでるの……。



あんなに弱くて脆い人間が、今も生きてるなんて思えない。




子供ながらでも思う、儚い人間だった。



今さら何なの!?



生きてても、死んでても、結果は同じじゃない。



結局私は独りなんでしょ!?



都合のいいように捨てられて、今どうしてるなんて、知らない方がマシ。



いつまでも帰りを待つ苦しみを、当の本人たちはわからない。



わからないから出来た行為だと思う。



だから許さない。



知りたくない。