わたしは、十夜の言葉を噛み砕いてぎょっとする。それに十夜が、こくりと頷いた。
「もしかして、もしかしなくても、その女の子って…わたし?」
「他に誰がいるんだよ」
恨めしげな視線がわたしに注がれた。
「うそぉ!?あはは、それ爆笑モンだね!ウケる!ていうか、早とちりも良いところだよ」
「全然ウケないんだけど。あーあ、結構可愛い子だったのになー」
「まあまあ、あんたなら、もっと良い子がすぐに見つかるよ」
身を乗り出して、十夜の肩を慰める為にぽんぽんと叩いた。
十夜は、同時に2人の女の子と付き合えるほど器用じゃない。見た目が整いすぎているということもあって、先輩後輩問わず、女の子にモテルけど、いつだって困った顔をして首を横に振っている。
JJは、おそらく見た目しか十夜のことを見なかったのかな。そうだとしたら、正直言ってしまえばわたしはそんな女が十夜から離れてくれて嬉しい。
とてもこの状況で告げられることではないけれど。
親友として、十夜には誰よりも幸せになって欲しいのだ。