衣服を剥がれ、白のレースがついた下着姿になったあたしを前に、ごくりと隆志君の咽喉が鳴った。
隆志君は、なぜだか酷く焦っているように見える。
今日は金曜日で、わたしはひとり暮らしだから親が帰ってくることもない、時間を気にする必要はどこにもないのに。隆志君はまるで捕らえた獲物が逃げないように、見張るような目であたしを見下ろすのだ。
「た、たかし…くん!」
何度も角度を変えて、口内を犯すようなキスに酸素を奪われ、息も絶え絶えに彼の名前を呼ぶ。
「はあ…、」
隆志君は、わたしの呼びかけに答える代わりに、悩ましげな吐息をひとつ零すだけ。その真っ黒な瞳にあたしの瞳が一度も重ならないことには、気づかない振りをする。
不器用な手つきでブラを外して、貪るように胸のふくらみを味わって。
おざなりな愛撫ですべてを誤魔化し、自身の快楽を求めるのだ。