「ごめ…「はい、ストップ」


遮ったのは晶


「怒ってないし、若菜が何かしたわけじゃないだろ?ただ気を失ったってだけだ」


「そうだけど…」


晶は一度笑顔をみせて


「俺は『ごめん』より『ありがとう』のほうが嬉しいけど」



「……」

でも…あたしは…あたしはっ…


「言って」


「………あ…」


ごめんじゃなくていいの…?



晶……

「あり…が…とう…」


温かい水が頬に流れた

段々量が増して視界が煙ってきた


「あり…が…とう…ありがとう…。お父さん…お母さん…ありが…と…。…ありがとう…」


「気にするな」

「いいのよ」

お父さんが頭を撫でてくれて、お母さんが抱きしめてくれてる

あったかい…
ありがとう…お父さん、お母さん…




視界の端に晶が部屋から出ていくのが見えた




「まって!」