すると、グラウンド横の花壇の近くにある水飲み場に、休憩しにきたサッカー部がやってきた。

「あーっ!!啓くんいるよ!!」

その中に、早速啓を見つけるメグ。

「…!!薊っ」

啓は私を見付け、タッタッと軽快に走ってきた。

「啓、頑張ってるね。でも、汗くらい拭ったら?」

私はハンカチを取り出し、啓の汗を拭う。

「へへっごめんごめん。ところで薊は、また水やり?」

「うん。綺麗でしょ?」

私は花に目をやり、啓にそう呟いた。

「あったりまえ!!」

ニカッと笑ってそう言ってくれる啓は、やっぱり良い弟だ。

「啓くんっ奈都にも気付いて!!」

メグがやっと口を出した。
良く喋る子なのに、空気読んでたんだろう。

「奈都さん!!久しぶりっす」

「啓くんかっこよくなったねーっ」

「ハハッ…マジすか?」